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2019-11-21

ブックレビュー『ナイトフライヤー』ジョージ・R・R・マーティン


George RR Martin "Night Flyers "


 アメリカではとっくに最終章が放映されたが、私のAmazon prime videoの無料視聴ラインナップには未だにエントリーされていない。「ゲーム・オブ・スローンズ」のことだ。この映像作品を知らない方はこの先の文章を読んでも面白くないと思うので、今回の記事はパスしていただきたい。なぜなら、今回のブックレヴュー作品の著者は「ゲーム・オブ・スローンズ」の原作者であり、自分にとってジョージRRマーティンはこの映像作品と切り離して考えることができないからである。

 「ゲーム・オブ・スローンズ」は第七シーズンまで視聴済み。とても面白い。面白いから見てみなよと、自分のお気に入りを他人に滅多にお薦めしない私がお薦めする作品だ。途中で執筆が途絶えている原作も読んだが、この作品については映像作品の方が面白かった。
 小説の映画化というと、見てがっかりする場合も多く、それは原作を気に入っているほどその傾向が強い。原作に忠実であれば何も映像化する必要はないと私は感じるし、かけ離れたストーリーなら、小説原作など使わずに、新たに脚本を起こした方が良いと思うのだが。

 さて「ゲーム・オブ・スローンズ」の話題はこれくらいにして、『ナイトフライヤー』である。こちらの作品も映像化されたがNetflixなので私は見ていない。ネットの記事によると、不評のため第二シーズンまでで打ち切りが決まったらしい。

 『ナイトフライヤー』はSF短編集だ。表題作の他に五編が収録されている。表題作にホラーの雰囲気漂うSFを期待して購入した。謎の星間航行船を追跡するために集められたクルーが乗り込んだ宇宙船はどこかおかしかった・・・。

 導入はよい。しかしストーリーが進むにつれ既視感が増してくる。宇宙船の中枢システムが勝手に暴走してクルーを殺害するのは、かのアーサーCクラーク原作のSF金字塔「2001年宇宙の旅」に登場するHAL9000で、数十年前にすでに描かれている。それにエイリアン建造と思われる巨大な宇宙船の正体も、わかってみたら拍子抜けしてしまった。これならやはりアーサーCクラークの「宇宙のランデブー」の方がアイデアが感じられて楽しめた。中途半端なセックスシーンもストーリーに絡んでいないので読んでいて居心地が悪い。

 期待しすぎると失敗する例だったようである。


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