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2019-11-07

映画レビュー『プリーチャー』




 もしもあなたが敬虔なキリスト教徒なら、見ない方がいい。この記事も読まないことをお勧めする。

     この作品は、正しくは映画ではなく、アメリカで制作された連続テレビドラマである。1シーズン10話構成で第4シーズンをもって完結している。題名のプリーチャーとはキリスト教の牧師のこと。主人公ジェシー・カスター役のドミニク・クーパーは、だから最後まで黒い牧師服しか着ない。
    題名が示すとおり宗教が主要テーマなのだが、この作品を全く知らない人が、そのつもりで見たら、きっとブッ飛ぶだろう。
    確かにキリスト教が主題である。主人公の目的は神に会うこと。だから、神と悪魔、天使やイエス・キリストその人まで登場する。主人公の仲間には吸血鬼だっている。
   しかし、神は天界から現世に逃避中で、後ろに女を乗せたハーレーダビッドソンをかっ飛ばし、悪魔は見た目はいかにもなのだが、あっけなく銃で撃たれて死んでしまったり、その後釜には、ドイツ第三帝国のあの人が就任したり、天使はいつもスーツ姿で・・だいたい主人公の牧師ですらコスチュームはお堅いが、いつもタバコを吹かして酒は飲むし、喧嘩が強くて、薄ら笑いを浮かべながら殴る蹴るの大乱闘をする。その恋人であるチューリップはギャングだったりするのだから、宗教的な厳かな雰囲気は皆無だ。

でもとても面白い。ストーリーがよく出来ている。
原作はアメリカのカルトコミックだという。

    タランティーノ的なダルいアメリカンな雰囲気が好きで、血しぶきスプラッター混じりのギャグを笑える人なら、この作品を大いに楽しめると思う。

くれぐれも、熱心なキリスト教信者は絶対に見ないようにご注意いただきたい。

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